本、絵画、映画と戯れる日々を

本や映画など何かしら作品の感想を書いていきます。

【読書日記】 夏草の賦

今日は、読書レビュー?を書きたいと思います。

ブログの内容がばらばらですが、このブログはそういうもんだと思っていただければ幸いです。

さて、今回は司馬遼太郎さんの作品、夏草の賦を読んだのでここに書きたいと思います。

 

長曾我部元親が主人公であり、彼の栄枯盛衰を様々な人物との絡みを通して物語が展開していきます。歴史小説の難しさとして、どこまでが事実で、どの部分が創作、もしくは想像なのかという点があると思います。そこで、僕の感想はあくまで司馬遼太郎が歴史を基に書いたフィクションとして感想を書くことにします。

率直な感想をいうと、歴史小説のいくつかは主人公が天下を取ったり、忍術が特別優れていたりと華々しい描かれ方をしているものもありますが、その点この作品にはそういったものがありません。むしろ、主人公の元親は田舎の一大名にしか過ぎず、しかも武具や格好も酷く粗末であるといったありさまです。

結局、元親の野望は秀吉に打ち砕かれます。筆者は、なぜ元親は天下を取れなかったのか、という点に興味を持っていたのだろうと私は感じました。

なぜなら、成功に至らなかった理由が元親自身、その妻である菜々、息子の信親、そして秀吉、など多くの人間の視点から描き出されているからです。それぞれがどう思っているかは書きませんので、興味ある人はぜひ読んでみてください。

本を読んで、いろんな登場人物の影響も受けつつ、僕なりに元親の欠点を挙げるならば、頑固で人の意見が素直に聞けないことです。判断基準をどうするかが問題点ですが、今まで読んだ歴史小説も含めて考えると、保身に走りすぎるとたいていうまくいかなくなっているような気がします。

もう一つ、志は大きいが、視野が狭いという点も挙げられます。これはしっかり学べということに尽きるでしょう。自分の力だけでは限界があるでしょうから、借りられる手は借りておくということが大事なんではないでしょうか。

どちらも、今の世の中でも当てはまりそうな感じですね。感想を書いていて僕自身勉強になるというか、刺激になりました。

 

 

本を読んで終わり、だと何も残らない気がして、もったいないなという気持ちから、本を読んだら感想を書くことにしています。

読み終わって感想を書き始める段階で、この本は何を主張しているのかが分かってきたり、実際それが正しいかどうかはわかりませんが、受け取る側が何を感じるかは割と自由だと思います。

こんなところで、今日は終わります。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!