8/11 量子力学 摂動論の基礎の基礎まとめ
量子力学の摂動論について、将来の自分のために、もしくはこのブログを訪れた量子力学勉強中の方のために簡単にまとめておこうと思う。
数式を綺麗に載せる方法はまだ調べてない。その方法が分かったとしても多分面倒だろうと思うので、言葉だけの説明になってしまうのは、申し訳ないです。
摂動論はパターンがいくつかある。残念なことに、私は細かい計算も含めて、勉強しているうちに混乱してしまう。
そこで、せめてどんなパターンがあるかは整理しておこうと思う。本当にそれだけの記事になると思う。すべて説明していたら、それこそ授業ノートが出来上がってしまう。まぁ、可能ならばそれを作ってしまえるくらい理解を深めたいものだが、、、
ここでは、とりあえずパターンを整理するということに主眼を置くことにしよう。
参考にしたのは、J.J.Sakuraiの『現代の量子力学(下)』と砂川重信の『量子力学』である。
はじめに、全体に当てはまることを書いておこう。
目標は、Hの固有値と固有関数(固有ベクトル)を求めることだ。しかし、厳密に求めることができない。(厳密解は限られた数少ない問題でしか求められないみたい)
きっといろんな近似を使って解を求める努力がなされていることと思う。
その手法の一つが摂動論を用いた方法だ。
摂動論はいつでも使えるというわけではなく、以下の条件を満たしているときは使える。
条件1:HがH_0とVに分けられて、Vの大きさがH_0に比べてずっと小さい
条件2:H_0の固有値と固有関数は厳密に求められている
とりあえず、最初に書いておくことはこんな感じで良いだろうか。
ここから本題に入る。
摂動のパターンとは、Vにどんな種類があるかということである。
まず、基本となるのが時間依存の有無による分類だ。
時間依存の有無によって分類されたそれぞれでさらに細かく分類していく。
まずは、時間依存のない場合について整理する。
そのあとに、時間依存のある場合について整理する。
目次
時間依存のない、かつ縮退のない摂動
時間に依存しない摂動とは、Vが時間によらず変化しないということである。
そして、この時さらに縮退の有無によって分類することができる。
摂動論を勉強していてまずはじめに出てくるのが、時間依存なし、縮退なしの場合である。もっとも単純であり、他のバージョンの基礎となるからだ。
このときは、固有値と固有関数を微小な値λで展開して、その次数の比較により、順次一次の近似による固有値、固有ベクトル、二次の近似による固有値、固有ベクトル・・・という具合に求めていく。
規格化についてもよく使われるやり方があるようだ。その方法は参考書に書いてあるので、それを見れば良いかな。
具体例
- 調和振動子
- 2次のシュタルク効果(静電場中の水素原子に生じるエネルギー準位のずれ)
時間依存のない、かつ縮退のある摂動
今度は縮退のある場合について考える。
縮退があるときは、同じ固有値を持つ固有関数が複数存在する。
縮退のないときは、固有関数が異なれば固有値も異なるものとして考えられたが、今度はそうでない場合もある。
このことから、縮退のない時の方法ではうまくいかない点が出てくる。それを解決するために、縮退を区別する指数を導入する。
固有関数を、エネルギー準位による指数、縮退を区別する指数、の二つで構成して計算を進めるとハミルトニアンHの固有値と固有関数が近似的に求まる。
具体例
- 1次のシュタルク効果(主量子数がn=2の時の励起状態の水素原子を静電場においた時に生じるエネルギー準位のずれ)
時間に依存する摂動
(いくつか代表的なものに限ったものではあるが)
ここは本当にパターンの列挙ですませてしまうが、あとでちゃんとまとめ直したい。。
- 時間依存性が周期的な場合(Vがsinやcosで表される場合)
- 時間依存が非常にゆっくりな場合
- 時間依存が急激な場合(ある時刻で突然有限の摂動が生じる場合
などがある。