本、絵画、映画と戯れる日々を

本や映画など何かしら作品の感想を書いていきます。

ロマンが詰まった洞窟 NHKスペシャル『巨大地下空間 龍の巣に挑む』

はじめに

2020/2/16(日)にNHKで放送されたドキュメンタリー番組

中国貴州省に存在する洞窟は少なくとも10万を超えると言われている。その中に地元で暮らすミャオ族から「龍の巣」と言われている洞窟がある。その洞窟の全貌を明らかにするべくNHKが調査に乗り込んだ。

ちなみに、この撮影を行うため中国から許可を得るのに2年かかったらしい。すげー、この許可が取れるまでの軌跡も番組にしてほしい。

感想

さて洞窟の話に入ろう。基本は番組の構成に沿って感想を書いていく。

まずはじめに、探検チームの紹介があった。詳しいことは分からないが、洞窟探検や洞窟の成り立ちに詳しい専門家が集まって結成された29名のチームとのことだった。

洞窟にいざ入ろうという場面で映し出された大きな川。画面で見ただけでもスケールの大きさに圧倒された。洞窟に入るととにかく真っ暗でライトをつけても足元くらいしか見えないという話があった。これ、最近話題?のCMOSイメージセンサーが活躍できる舞台だ!と思ったが、どうなのだろう、すでに使ってたりしたのかな。

3Dレーザー測量機を持ち込んで地形を再現しようという試みはあっぱれだ。それを再現した3DCG映像は現地には行けない私にも洞窟の雰囲気を味わわせてくれた。VR探検とかできればなおさら没入感が上がるだろうな。

気になる洞窟の全貌であるが空間の体積は少なくとも1000万㎥で東京ドーム8個分以上らしい。日本で最大の洞窟(地下空間)である秋芳洞千畳敷は東京ドームに収まる程度らしいので、いかに大きいか言葉の上では分かるだろう。洞窟の全体像(一部かもしれないけど)が分かってその大きさにロマンを感じる一方で、落石の音が鳴り響いた場面では上から巨大な岩が落ちてくる場面を想像して恐怖も感じた。撮影班や探検した方が無事で何より。

洞窟はその空間がただ大きいだけでなく、そこにある岩や構造もそのスケールは桁違いのようだ。高さ37mの石筍というものはおよそ37万年かけてできたものらしい。この大きさのものは世界でもほとんど報告がないとのことなので、それだけ大きいということが分かる。地学的にも貴重な資料になりそうだな。

映像的に素晴らしかったのは番組の後半、洞窟全体をたくさんの照明を使って照らした場面。自然が作り上げた巨大な地下空間を照らすという行為それだけでロマンが溢れ出ているが、実際に照らして浮かび上がってきた地下空間の構造がこれまた神秘的で美しい。誰かその感動をVR上で体験できるようにしてくれないものか。。。

最後に巨大な地下空間ができた成り立ちについても少し触れていたがなるほどと思った。端的に述べると水が地面に染み込んで岩を溶かし地下空間を作り上げたということらしい。水の力恐るべし。

余談

私はNHKオンデマンドの見逃し番組の中から探してこの番組を視聴した。視聴する際はぜひヘッドホンかイヤホンの装着をオススメする。スピーカーを持っていればそれを使うのがベストかもしれない。映像だけでなくBGMもとても良かった 。