本、絵画、映画と戯れる日々を

本や映画など何かしら作品の感想を書いていきます。

東山魁夷の壁画展へ行った。

東山魁夷唐招提寺御影堂壁画展がやっていたと知り、これを逃すのは勿体なさすぎる、、、ということで見に行きました。

 

控えめにいって最高でした。

 

東山魁夷を知ったのは、国語か美術の教科書・資料集あたりだった気がするのですが、どこで初めて見たのか記憶が曖昧なんですよね。

馬と池と森が描かれている『緑響く』が有名だと思いますが、今回の展覧会のメインは壁画(襖絵)でした。

これは本当に見て良かったです。世界にはこんな素晴らしいものが存在しているのか、、と知ることができました。

世界にはこんなに素晴らしいものが存在しているんだ、と思うだけで生きる力が湧いてくるものです。

 

勢い余って普段は買わない作品集まで買ってしまいました。

しょ、しょうがないですよ、この表紙を見たら。。

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さて、今まで美術展に何度か足を運んできましたが、この展覧会はかなり好きな方に入ります。

特にこの展覧会の構成が個人的に好きでした。

メインは言うまでもないですが、メインの後にいわゆる下書き、習作の展示もあってそれが興味深いものでした。

 

壁画を描くためにまず何を書くか考える段階から始まり、その情報・資料収集のために中国まで取材に出かけたそうです。

ラフの段階を経て、襖の境界のことまで考えて正確に配置して、いざ本番という過程を経ているようでした。

作品だけ見ると、その過程をあまり意識せず、いきなりできたような気がしてしまいます。

しかし完成までに習作をいくつも作って、失敗も重ねて、ようやく完成にたどり着くわけですね。

 

一流の人でもと言ったらいいか、一流の人こそと言えば良いのか、段取りを丁寧に考え、それを着実に実行しているのだな、と感じることのできる構成でした。

荘厳な壁画の展示に、制作過程の丁寧な説明、素晴らしい展覧会でした。

 

長野県や千葉県、香川県東山魁夷の記念館があるそうで、情勢に注意しつつ、いつか行きたいものですね