講談の世界に足を踏み入れる一冊に『pen BOOKS 1冊まるごと、松之丞改め六代目神田伯山』
本屋さんでふと目に止まった。
親が「神田伯山いいよ、話が面白いよ」と話していたことを思い出して、どれどれちょっと読んでみるかと思い購入。
pen BOOKS シリーズも気になっていたのでちょうど良いタイミングだ。
↓この本
感想
講談のことは全く何も知らず、ただ神田松之丞という人が講談の世界を盛り上げているという話だけ聞いていた。あと、YouTubeで動画を出していることも知っていたくらい。みてはなかったけれど。
さて、内容としては神田伯山のインタビューがあって、その他師匠や爆笑問題の太田、ラジオディレクターなど彼の周囲の人々が伯山について語る記事がある。あとは講談そのものについても少しだけ触れている。
この本の良かった点は、講談がこれから盛り上がっていくぞ、という雰囲気を感じられることである。松之丞ブームから少しづつ盛り上がりを見せ、さてこれからだというときに書かれた本なので後から見返すのも面白いはず。そばに置いておきたい一冊だ。
また、講談に関する本をまとめているのもありがたい。講談のことを全く知らない人、多少知っている人に向けて、こんな本がオススメだと丁寧に説明してくれているのでもっと講談を知りたいときの足がかりとなる一冊だ。
ここでは講談のネタそのものにはほとんど触れていないが、それを目的とした本も紹介されているのでそれに従えばよいだろう。
神田伯山の生き方については、この本のインタビューでも多少読み取れるが、もっと知りたければ自叙伝もあるようなのでそちらを読んでみるのも良いと思う。というか、私は買って読むことにする。
ここで神田伯山の生き方について少しだけ思ったことを書いておく。
この前読んだ『嫌われる勇気』と照らし合わせてみて、彼は自分でできることとどうにもできないことの区別をつけることができているのだと感じた。また、講談という世界において自分の立ち位置を」把握しており、講談の流れの中で自分には今こういう役割があるから、今はそれを全うしようとしている。
しかも、本書を読んでいるとどうやらバリバリの毒舌家らしい。これはまさに他人に嫌われる勇気を持っているということになるではないか。ちょっときになるのでラジオを聴いてみようかしら。
『嫌われる勇気』を読んだ直後にその権化のような人の本が読めて嬉しい。こういうタイミングに出会うことが生きていて楽しいことの一つだ。
私とは逆に、神田伯山をよく知っている人間が『嫌われる勇気』を読んでみるのも面白そうだ。神田伯山という人をもっと深く理解するきっかけになるかもしれない。
『嫌われる勇気』をまとめた記事もあるのでもしよければ。